2月日録(上旬)

2月某日 晴れ

 このブログの名前は「私の引き出し」である。私の引き出しは整理されないままである。引き出しは一応閉まっている。つまり入りきらないほどではないということである。
その引き出しがいっぱいになり、閉まらなくなる前に、整理したい、というのがこのブログはを始めた理由である。それは私の残夢整理でもある。それを読んできた本などを使ってやっている。大げさに言えばそういうことである。
 ただ日々の移ろいもある。それをどうするか考えた末、こうして日録にするのもありかな、と思って始めてみた。思うまま、感じるまま書きつづったものだから、これから先どうなるかわからない。ただこうして書いていると、これは独立してきちんと別に書いた方がいいと思われることもあり、案外いいかもしれない、と思った。


2月某日 晴れ

 まだ少し寒いが、今日は今までより暖かい感じがする。
 シルキーカーテンを思い切り上げる。窓から陽の光が部屋全体をに降り注ぐ。外にある木の葉が風で揺れているのが見える。その窓辺で本を読んでいると陽が当たり、風で揺れている葉の陰がページで揺れる。
 今は暖房を入れずに、こたつに足を入れて、椅子に座っている。何故か気持ちが落ち着く。
 読んでいた本が読み終えた。手許にある次の本を手に取る。


2月某日 晴れ めちゃめちゃ寒い

 仕事で総務・人事もやってきた。だから従業員が退職したときの社会保険の手続きや、その後、たとえば失業給付をどうもらえばいいのか、退職後の健康保険や年金の手続きの仕方など、大まかなことを教えてきた。立場上、そういうアフターケアも必要だと思うからだ。
 ただ当の本人は同じ会社にずっと勤めてきたから会社以外での手続きなどこれまでやったことがない。経験もないのに、他人にこうすればいい。ああすればいいなどとレクチャーできるのは、多少そういう関係のことも覚えてきたから、その範囲内で言えることを言ったまでのことである。別に偉そうに知ったかぶりしていたわけでもない。

 ということで今回生まれて初めて、個人で失業給付を受けるためにハローワーク通いを始めた。たぶんハローワークなど通い始めると、暗い気持ちになるんじゃないかと思うけれど、私の場合、自分が勉強してきたことが、あるいは人に言ってきたことが間違っていなかったかどうか確かめられるので、ちょっと楽しみであった。
 確かに手続上は間違ってはいない。でも受付の職員の細かい指示をうざったいとは思わなかった。それはたまたま私が知っていることなのであって、初めて失業給付を受ける人にとっては、そうした細かい指示は不安を和らげるものだろう、と思えるからだ。
 離職票を受け取って、求職の申込みをして、1週間ちょっとで、雇用保険説明会に来いという。その説明会に行ってきた。もらった手引きには時間厳守、途中退席は受講していないものとみなすと、脅かし文句が書かれている。それでいてハローワークは皆様が仕事に就けるお手伝いをしますと言って、そのフォローの仕方ぶりを説明し、失業給付を受ける流れをDVDビデオで見せてくれた。
 そのあとまた説明があり、できるだけ早く仕事に就いた方が生活の安定が補償されます。会社の人事担当者のアンケートによると、失業して3ヶ月以上経っている人だといろいろ不安が残るという答えが出ているから、なおさら早く仕事に就いた方がいいと言ってくれる。その上“お祝い金”も雇用保険から出ますから、と宣ってくれる。その額の計算式を見てみると、実際受けられた失業給付の半分近くになってしまうのである。
 要するに金がかかるから早く仕事をせえ、ということらしい。そして失業給付受給中にたとえアルバイトでも仕事をした場合、ちゃんと申告してくださいね。そうでないと不正受給として、資格を停止しますし、それまで払った失業給付も取り上げますし、支給した失業給付の2倍の納付命令金が請求されますと、ビデオでも担当者の説明でも繰り返していた。担当者は「倍返しどころか3倍返しになります」とつまらぬことを言っていた。ハローワークは提出された書類をそのまま信じておりますので、偽りはダメだというのだ。要するにそういう不正受給者が結構いるということのようで、結局信じていないのである。ビデオでは雇用保険は皆さまが収めた保険料と税金でまかなわれています、と締めくくっていた。
 木っ端役人が何を偉そうに言うのか。保険料だって税金だって我々は収めてきた。保険というのはこういうときに使われるものだろう。仕事を早く見つけろとか、うるさい。あんたらの給料だって我々の税金で支払われているのだから、そこまで偉そうに言われる筋合いはない。収めるものを収めた者として、そこまで卑屈にならなければならない理由はない。当然の権利を履行しているだけである。不正受給などするつもりはないし、申告は正確にするつもりだから、卑屈にもならないし、落ち込みもしない。
 予想はしていたが、仕事を失った者の気持ちなど一切考えていない説明会であった。

 時間があるのでハローワークを出て、界隈を歩いてみた。今まで来たこともないところをぶらぶらすのは面白いものだ。
 大きな通りに出た。駅の方へ戻ろうと思い、歩いているとブックオフを見つける。閉店セールと書いてある。

 ここもやめちゃうんだ。

 全商品30%引きとある。これは入らねばならないと思い、入ってみる。欲しい本はいくつかある。もしここになるなら買ってもいい、と思った。
 何でもそうだけれど、時間があるというのはいいものだ。店内をじっくり見て歩ける。欲しい本が数冊見つかる。欲しい本があっただけでもうれしいのに、しかも30%引きだ。余計にうれしかった。2月まで閉店セールをやっているというから、今月はもう一度ハローワークに来るので、また帰りに寄ってみよう、と思う。


2月某日 曇り

 国民健康保険の加入手続きに行く。ついでに国民年金への変更、加入も行う。年金はあと3年払い続けなければいけない。年金保険料の支払いが面倒なので、一括引き落としの手続きをしようと思い、用紙をもらう。そうすれば割引もあるからだ。それにしても国民健康保険料ってどうしてこんなに高いんだろう。会社都合の退職だと減免措置があるのでそれの申請をしなければ、負担が大変だ。
 ピンクのぺらぺらの保険証を手にする。考えてみたら私はずっと社保できた。社保の家族、本人といった感じで。なぜか保険証を手にして新鮮な感じがするし、これで安心だという気になる。
 これで退職後の手続きはすべて終わった。あと残っているのは確定申告だけだ。


2月某日 曇りときどき晴れ

 昼間のテレビ番組は再放送のドラマをやってくれている。もともとテレビにはそれほど関心なかったが、今ちょうど「名もなき毒」の再放送やっているので、それを録画している。本を読んだばかりなので見てみようと思ったのだ。録画だと好きな時間に見れて、しかもコマーシャルを飛ばせるのでい
い。今日も予約しようとと思って新聞のテレビ欄を見ていると、「Dr.コトー」の再放送も始まったじゃないか。これ好きなんだ。俗っぽいと言われようが、ついつい見入ってしまうのだ。裏録で予約する。


2月某日 大雪

 外は雪が降り続いている。このまま今日一日降り続くというから、かなり積もるんじゃないか。障子をあけて、布団に潜り込みながら、しばらく外を眺める。今までここからいくつか季節の風景を感じてきた。雪は今日初めてである。雪は雨と違い、音が聞こえてこない。雪がしんしん降るというのを聞くが、そういう音がするわけではない。あえて言えば、そういう感じだということなのだ、ということなのだろう。
 今日は外に出ることもできないから、昨日借りてきた本を読み始める。今日一日あれば、ゆっくりとこの本を読み終えることができるだろう。たぶん今日は何度も障子を開けて外を見てしまうだろう。



2月某日 晴れ

 昨日の雪は東京で45年ぶりの大雪となったそうだ。積雪は27センチだという。おそらくこちらではもっと積もっていたように思う。朝から雪かきを始めた。雪の量の多さに雪かきも重労働となり、腕や腰が痛い。何とか車を出せるようにする。
 午後から都知事選に行く。雪がまだ残る道を、足下もおぼつかない感じで選挙会場である小学校へ向かった。校門の前には選挙管理委員の関係者だろうか、ボーッと立っている。ただ立っているだけなら、校門の前の道の雪かきでもして、みんなが歩きやすくするとか、考えることができないのだろうか。何様だと思っているのだろう?
 今朝雪かきをしていた時、いつもバイクで新聞を配っている若者が歩いて新聞を配っているのに出くわした。彼は「遅くなってすみません」と一言詫びていたが、こんな時新聞が遅れたことに文句を言うわけもない。こちらも「大変ですね。お疲れ様です」と労う。
 昨日も雪が降り積もる中、バイクが使えないから、歩いて新聞を配達してくれたことを知っている。いつ来たのかわからなかったが、気がつけば郵便受けに夕刊が入っていたのだ。外には雪の中、彼の足跡が残っていた。その足跡も雪が消し去ろうとしていた。仕事とはいえ、頭が下がる。私は窓から彼のつけたその足跡をしばらく見ていた。



2月某日 晴れ

 4月から始まる手帳を買った。今回は昨年度みたいなスケジュール帳ではなく普通の手帳を買った。もう昨年度みたいな仕事に振り回される予定などないだろう、と思ったからこれで十分である。4月から使うようになっているが、実際は3月から使えるみたいなので、来月から使おうと思う。
 今回は手帳なのでいつも持ち歩ける。ここに欲しい本や、読みたい本など書くのもいいかもしれない。今回はあくまでも個人目的のものにしたいものだ。
 ところでこの手帳にはボールペンを付けられるようになっているのだが、そこに入れるボールペンがちょうどいいのがないのである。出来れば二色あればいいのだが、家にあるのは薬の名前の入ったごっついもの(要するに製薬会社からのもらい物)ばかりで、ホルダーに入らないのだ。ボールペンはあちこちにあるので家中探してみたが、みんなごっついのばかりであった。仕方がないので一本スリム型の三色ボールペンを購入。ボールペンを買うのは本当に久しぶりだ。



2月某日 くもり 寒い

 この文章は一太郎で書いている。通常これで書いて、ブログにアップすると、改行がおかしくなるのが気になっていた。ちょうど画面いっぱいで文章が終わると、区点がそこに収まるようになっている。そこで改行しているのだが、ブログに貼り付けるとそのまま文章が続いてしまうのだ。これが何とかならないかと思っていたら、マニュアルを見るとエディターフェーズにすると解決しそうである。さっさくやってみると、まさしく今まで使っていた秀丸のようなエディターである。これはいい。ここは下書きである。見栄えとかそんなものは必要ない。さくさくと書ければいいのである。これからはこれでやっていこうと思う。やっぱり何でもマニュアルはある程度きちんと読んで、上手に使いこなすことは必要だと実感する。



2月某日 同じくくもり やはり寒い

 これから読む文庫本に書店でもらっているカバーを掛ける。文庫本を結構買っていたので、文庫のカバーがやたらにある。本当は専用のブックカバーを持っているので、それを使わなくてもかまわないのだが、もったいないので使っている。
 私がそれらのカバーを掛ける時は、昔取った杵柄じゃないが、カバーを本の天と地にきちんと合わせてはさみを入れ、折り込んでセロテープで外れないようにする。これが昔はきれいに出来たのだが、仕事で毎日本にカバーを掛けていた頃とは違い、今はそれが出来ないことが多い。それに歳を取ったせいで、指先の動きが鈍くなっているのか、カバーが大きかったり、小さかったりしてしまうし、折り込みも本にぴったり合っていないため、だぶついたりしてしまう。もちろん時間もかかるようになった。
 でもそのカバー掛けがうまくいき、本にぴったり合うとうつくしいし、妙な満足感もあって、これから読む本を何度も手にしてしまう。まだ読んでもいないのに、その本が面白いのじゃないかと思ったりする。
 まあどうでもいいことなのだが、このようにカバーを再利用している、ということである。書店でもらった文庫本のカバーがなくなったら、頂いているかっこいい専用カバーを使おうと思っているので、さっさと使い切りたいところなのである。
 しおりは、昔から集めていた書泉でもらったしおり(書泉の経営者が代わって、今くれるしおりはちゃっちくなったてしまったのは残念なのだが)か友人から以前もらったものを使っている。
 それと最近書店でもらったものとして再利用しているのが、ビニールの袋である。これもいくつか取ってあって(貧乏性なのだ)、それを図書館の本を借りるとき、返却する時に使うようになった。二、三冊入れるのにちょうどいいことを発見したのである。



2月某日 またしても雪


 またも雪。確定申告書を作成する。まったく歳をとると、病院にかかることが多くなって、領収書を分けたり、計算が面倒だった。


2月某日 雨のち晴れ 風強し

 今週も大雪。今日も雪かき。雪の上に雨が降ったおかげで、雪が重いこと重いこと。腰にくる。こんな日に大学時代の友人と新年会。正直なところ神楽坂まで出かける気にならなかったが、とにかくやるから来いというので、渋々出かける。夜、電車に乗るのはほぼ2ヶ月ぶりか。
 友人と会えば、結構話し込んでしまう。たぶん今日のメンバーで劇的に変化があったのが私だから、いつの間にか自分の境遇をみんなに話している。ふと、その話しぶりがこの日来なかった友人の話し方に似ているように感じた。あいつも話し出すと、一生懸命自分のことを話していた。それが良いのか悪いのかわからなかったが、今日ぐらい許してもらおう。
 久々のお酒で酔った。12時前に帰宅。寝る前に腰に湿布を貼る。モーラステープにするかモーラスハップにするか迷うが、何となくハップにする。そういえばむかし薬剤師にモーラステープとハップをどちらを使えば良いのか聞いたことがある。答えは「気分でしょ」と言われた。だったら今日はハップの方が効きそうに思えた。
by office_kmoto | 2014-02-17 06:36 | Comments(0)

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