すくすくハウス

 孫が夏休みで昼間一日中、我が家にいる。我が家ではすくすくスクールならぬ“すくすくハウス”と称している。
 午前中はプールがあるので、そのため学校まで付き添い、一時間後迎えに行く。世の中物騒なのでそうしている。
 昼食後、夏休みの宿題を見てやる。
 読書感想文というのがある。夏休み本を読みましょう、という、あれだ。孫はまだ小学一年生なので、感想文ではなく、読んだ本の書名、簡単な感想をカードに書き込むだけだが、学校ではこの休みに最低でも5冊は読みましょう、と言われているらしい。そのため、3時のおやつ前に1時間ほど本を一緒に読む。
 まったく強制的に本を読めなんて言うから、本が嫌いになるのである。本なんか読みたいと思った時に、好きなものを読めばいいと思っているが、小学生にはそういう習慣を付けさせるため、強制も必要と言うことなのだろう。
 実は私が小学校の頃、この読書感想文が大嫌いだった。それが今や本がない生活など考えられないようになっている。だから本を読むことを強制しなくても、読みたいと思えばいつだって本を読むようになると思うのだが……。
 幸い孫は本を読むことが好きなようで、それはそれで微笑ましく思っている。それでその1時間私も自分が読んでいる本を読んでいる。
 孫は自分が読んでいる本が面白いから読んで見ろというには閉口するが、まあ、どんな本を面白と思っているのか知るのもいいかもしれない、と思いつつ、孫が勧める本を2冊ほど読んでみた。
 孫はあんびるやすこさんの『なんでも魔女商会』というシリーズにはまっている。話は、可愛い魔女が営むリフォーム店に他の魔女が洋服のリフォームを依頼しに来たり、何か曰くがありそうな魔女が相談を持ちかけてきたり、時には探偵まがいのことがあったりする。
 私が読まされた2冊の本では、そうした訪問者がだいたいわがままで、自分勝手なのだが、それをおさいほう魔女でなんでも魔女商会の店主であるシルクとその友達のナナ、そして召使い猫のコットンがそれを戒め、改心させるという話であった。そこにはいわゆるわがままじゃだめだよ、非常識ではだめだよ、という道徳的倫理をきちんと書き込んで終わらせている。
d0331556_15461133.jpg ところで私が今読んでいる本は川上弘美さんの『東京日記1+2 卵一個ぶんのお祝い。/ほかに踊りを知らない。』である。この本は川上さんのエッセイ『東京日記』のシリーズ2巻分でお得な文庫なのだが、ここには孫が読む本のような諭すようなことなど何もない。
 孫は私が読んでいる本がどんな内容の本か知りたがるので、内容を話してやる。電車内で大福を6個食べるおじさんの話や、風邪をひいたので病院に行くのだが、その時よそゆきのブラジャーとパンツをはいていく話や、やたら筍が送られてくる話などすると不可解な顔をする。なんて馬鹿な本を読んでいるんだといった感じでいる。
 確かにこの本は道徳的倫理などまったくない。どうでもいい話の連続で、馬鹿馬鹿しい世の中をおもしろおかしく書いてあるだけである。だけどどこかそれらはもの悲しいのだが、それを孫にうまく説明してやれない。面倒臭いので一緒におやつとして食べている“ガツン、とみかん”をかじりながら、「いつも難しい本ばかり読んでいると疲れちゃうだろう。だから気休めにこうした本を読んでいるんだよ」と言うことになってしまう。(確かにそれは事実なのだが)川上さんのエッセイを読んでいてこんな言い訳がましいことを言わなければならないのか、情けなくなる。なんかこれ自体川上さんの東京日記の世界だな、と思ったりする。
 気を取り直して、多少涼しくなった夕方(それでもかなり暑いのだが)、自転車の練習につき合う。自転車を買ってやって2日で乗れるようになったのを驚いている。まだぐらつきがあるけれど、自転車に乗るのが楽しくなっているらしく、まだ暑さが残る夕方でも外に出たがる。こちらは濡れたタオルを首に巻いて一緒に外に出る。


 小学校低学年ではアサガオの種を蒔いて育てる。夏休み中その鉢を家に持って来ている。その観察絵日記を付けるのも宿題の一つとなっている。
 そのアサガオが種を付け、採種した。孫は自分が一所懸命育てて来たアサガオが種を付けたのがうれしいらしい。今日はその種を採って、一つの袋に5つ入っていたと大喜びである。
 ところで我が家の入谷の朝顔市由来の朝顔(孫が育てていたのは西洋アサガオなのでわざわざカタカナを使っている)は今年は花が小さい。記録的な暑さ、命に関わる危険な暑さ、と連日叫ばれているため、朝顔もこの暑さにまいってしまっている感じだ。やっと今朝、鉢にいくつか花を咲かせてたけれど、今ひとつである。


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 今日で水泳教室の前半は終わり、最後に検定があったらしい。孫は11級から10級になった。校門の前で孫が帰ってくるのを待っていた時、孫がVサインをして出てきた。
 昨日、イメージトレーニングみたいに、私のベッドの上で、高校時代水泳部であった妻から指導を受けて、バタ足を練習していた。一所懸命、足を曲げないで上下に振っていた。家に帰っても今度はスイミングスクールに長く通って、一通りなんでも泳げる娘からも指導を受けたらしい。
 少なくともまったく泳げない私からすれば、孫はもう私を超えたことになる。何でも孫は娘同様これからスイミングスクールへ通うらしい。


 夏休みの宿題に自由研究というのがある。要するに何でもいいからやりなさい、というやつだ。この何でもいいというのが厄介である。一つ課題なり、テーマ、あるいは絵を描けとか、工作をしろとか、具体的に言ってくれた方が有り難い。
 で、孫がしようとしているのが工作である。学校の図書室から『森の工作図鑑』なるものを借りてきて、森に落ちているものを使って工作する。
 で、毎夕、親水公園で自転車の練習をしているので、ついでにその工作の材料となる素材を拾ってきている。拾ってきているというか、取って来ているという感じだが、まあ、収穫はこんな感じである。これに昨年取って来て家にあるどんぐりを加えるそうだ。


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 ひとつ拾ってきては孫は妻や仕事から帰ってきた娘に見せて、説明している。ひとつひとつが珍しいらしい。私は汗だくになったからだを拭いてから、“ガツン、とみかん”をかじっている。これでどんなものが出来るのか、来週は水泳教室もお盆休みでないので、孫と二人でじっくり考えようと思う。


 今日は娘が休みなので、孫を預からずに済む。何でも通っていた保育園に卒園生として招待されているいるので、そちらへ行くらしい。先生や友達に会えるのを楽しみと言っていた。こちらは“ガツン、とみかん”を一人でかじりながら、昨日夜やっていた「dele」の2回目を見る。
 来週過ぎれば娘も長いお盆休みに入る。孫を預かる、“すくすくハウス”も休みとなるので一息つけそうだ。

by office_kmoto | 2018-08-04 15:54 | 余滴 | Comments(0)

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